2025/11/2(日)綱附森

2025年11月2日(日)四国の屋根、秘境を歩く。矢筈峠―網附森 往復

参加者:CL・Y内 Y田、W邉    計 3 名

≪行程≫

多度津ビッグ5:30―南国IC7:00――国道195号線―――物部大栃―県道49号線

――安丸―――笹――矢筈峠8:30出発(1293m)・・・・尾根道・・・・網附森11:50(1643m)

・・・・矢筈峠14:40――大栃―――南国IC――善通寺IC―18:30多度津ビッグ

歩行距離9.4㎞ 上り751m 下り737m 時間 6時間10分

《内容》

移動車中、昨今の北日本を騒がせている市街地の熊多出没被害を話ながら本日の山行は、徳島、高知の県境奥深くに位置し熊出没の情報がある綱附森です。メンバー皆はもしかしたら熊に遭遇するかもという不安を胸に、8:20広い駐車場の矢筈峠に着きました。峠の手前左に土佐矢筈山登山口の標識もあります。気温は6度、天気は曇り後晴れ、トイレ、水場の設備がある駐車場です。8:30出発、登山口は駐車場から続く広い道を南へ5分ほど歩いた所にあります。登山口には熊出没の立て札が、古いものと新しく立てられたものとの2本あって少し不安を煽られました。8:38東笹林道コースからの登山開始、ブナ、ミズナラの広葉樹が広がる林へ入るといきなりの急登でビックリ。15分程登ると道の両端が膝を越えるクマザサに変わり、汗を拭き拭きさらに15分程登りやっと尾根に出ました。広い尾根です。樹木に覆われ、これが尾根というくらいの広さで樹々の間には左後方に土佐矢筈山が大きく美しく見えています。ここからは歩き易い笹原歩きです。 笹原の道は軽快でアップダウンを十数回繰り返し小ピークより東へ降り、V字に切り返して1421mのピークへと向かいます。自然林のなだらかな道を心地よく登り1421mの第一標高点に着きました。周りは一面の笹原、遠くには深緑色のたおやかな綱付森の山容が見えてきました。多少のアップダウンを繰り返し快適な稜線歩きですが目の前周辺はシダ原に変っています。笹原が鹿の食害に合ってシダに変わっていったそうです。突き上げる晴天に向かって登って行くと牛の背・天狗塚が正面に見えてきました。直下には1ヘクタールもあるススキの原が広がっています。以前はやはり一面の笹野原であったそうです。ススキの原を越えた所にまたしても熊出没注意の立て札が立てられており思わず体がかしこまります。登り始めて約2時間、広野原に白や黒の大きな岩の塊が散在している原始的な道を進むと網附森の頂上が見えてきました。第2標高点の1460m地点にさしかかり。しばらく広葉樹の稜線を登って行きます。途中下山中の今治から来たという60歳代の男性に会い「3連休でやっと来られた、熊はいるらしいけど5、60㎝位の大きさらしい」と会話、初めて人に会いました。熊が小さいと聞いて一寸安心しましたが出てきたらやはり怖いです。1550m付近で一息ついて頂上へ向かいます。道のりが結構長いので3人とも汗たっぷりです。膝から腰まである一面の笹原をかき分けながら登ります。下山中の高松から来た50歳代男性二人と会話、徳島からの70歳前後の夫婦が前にいます。11時50分山頂に到着。そんなに広くはない。登り切ったすぐに標高1643mの古い木の標識板があり、見上げると360度の大パノラマです。霞みがかかっていましたが北に西から牛の背、天狗塚、地蔵の頭が真じかに見え西熊山、三嶺、カヤハゲ、白髪山、石立山と続き東には遠く剣山、次郎笈が見え心が躍りました。風が強く食事をすませ12時10分に下山開始、頂上を踏んだ満足感と所々黄紅葉した樹々の美しさに気付く余裕が出てきました。下山はもと来た道へアップダウンの繰り返し、笹道を進むが足元が見えないので慎重に歩くが、所どころで段差が低い所があり転びそうになります。頂上へ急ぐ若い女性一人と出会いましたが、物も言わずにすれ違いました。鹿の食害で花もなく途中に1本の背丈高のナナカマドが赤い実を一杯付けているのが印象的でした。ススキの原で目印がなく迷いそうになりました。長い道のりで汗たっぷり14時40分に下山しました。熊の出没に気を配りながらの山行でしたが、原生林を楽しみ全面笹に覆われた頂上を踏めたことは10年来の念願達成無上の喜びでした。

(記:Y内)