2023/7/14(金)~7/17(月)夏のバス登山 立山連峰

2023年7月14日(金)~7月17日(月)夏のバス登山―立山連峰―

立山連峰  浄土山(2831m)、雄山(2992m)(雄山神社は3003m)、別山(2874m)、

大汝山(3015m)、富士の折立(2999m)、真砂岳(2861m)

参加者  A班:縦走組 CL:N川、SL:Mカ、Y田、U井、Y津、T田、 一般参加:Mダ 7名

B班:散策組 CL:F井、SL:M田タ、T口ア、K北、M田ア、M高、N山、K田、T永昌、S

       T中、K野 一般参加:Y井 13名         合計20名

≪行程≫

◆ 7.14(金)21:00 坂出IC出発

◆ 7.15(土)6:00 立山駅―8:00ケーブルー8:15高原バス

A班:9:20 室堂・・・・9:50立山室堂山荘・・・・10:10みくりが池・・・・

10:25~10:45雷鳥沢ヒュッテにてランチ・・・11:50新室堂乗越・・・

13:35剣御前小舎(泊)・・・(剣御前:爆風とガスによる視界不良にて中止)

B班:9:00 天狗平・・・・10:30立山室堂山荘 昼食後、散策・・・立山室堂山荘(泊)

3人は、天狗平では下車せずに9:50立山室堂山荘。その後、夕食まで各々散策。

◆7.16(日)

A班:6:05出発―6:34別山―7:20真砂岳―8:17富士ノ折立―8:30~9:00大汝休憩所にてカフェ―

9:05雷鳥さんの番いに遭遇ー9:35雄山―9:45雄山神社参拝祈祷―10:40一の越山荘―

(浄土山:ガスが深くて中止)―11:45雷鳥さん母子に遭遇ー

12:00立山室堂山荘(泊)A班・B班合流

B班:7:00出発・・・・8:30一の越し・・・・10:15雄山10:50・・・

一の越し12:00/12:15  ・・・・13:20立山室堂山荘(泊)A班・B班合流

3人は、立山室堂山荘に残り近くを散策

◆7.17(月)6:40出発・・・6:50みどり池・・・7:00みくりが池・・・7:24立山玉伝の湧水・・・

立山室堂ターミナルにてショッピング・・・8:40高原バスー9:45ケーブルー10:00立山駅

―19:35坂出IC

旅費  一人62,000円

(大型バス(45シート)、添乗員2人、宿泊、ケーブル、高原バスなど)

天気 曇りですが・・・登山中は強風・暴風・濃霧

下山後16日夜からは快晴

 

【立山】

立山はわが国で最も早くに開かれた山の一つであり、富士山、白山と共に日本三霊山として、一般登山者以外に修験者が多く集う信仰の山として開山され歴史も古く伝統のある山である。浄土山、雄山、別山を立山三山といい、麓からもその雄姿を望むことができる。西面は緩やかな斜面で、山崎カールが天然記念物に指定されている。東面は急峻な斜面で、見事な氷河地形が発達している。

また、麓の弥陀ヶ原高原や称名滝の規模は日本有数である。冬季には膨大な降雪量で、GWの室堂付近では15m以上の雪の壁が有名である。

晴天時には観光やハイキング気分で楽しめるが、夏季でも雷の危険や雨による疲労凍死もありうる。残雪期でも雪崩やブリザードで足止めされるような山である。

一方、標高2450mの室堂平は大日連山や天狗岳、剣岳へのベース地でもあり、多くの登山客、観光客、スキーヤーが行き交う。みくりが池の散策、地獄谷周遊、玉殿岩屋などの見所が多い。夏は短いが、高山植物が可憐に咲き誇り、運が良ければ雷鳥にも出会える。随所に温泉施設もあり、十分楽しめる。

 

【A班縦走組】

計画の10日前に、横断歩道で信号が変わり始めて慌てて走ったら・・・捻挫😿というTちゃんのハプニングがあり、Mさんの若い息子さんにバトンは渡され、いざ出発!メンバー中3名は5年前のGWに「春季登山(残雪期)で立山にチャレンジしたにも関わらず、ブリザードに見舞われ富山県警山岳警備隊の指導の下、剣御前小舎で2日間足止めされ、そのまま下山」という悲しい歴史があり、今回は無雪期なので思いっきり景色を楽しもうと張り切って参加した。

が、天気予報は雨。登山指数はC判定。1989年の中高年者大量遭難事故が頭をよぎる。教訓は、「太平洋南岸低気圧は山が荒れる。」である。今回は3000mの高所縦走時が最悪の天気で、風速24m、気温10度予想。梅雨晩期の雷も怖い。とは言え、季節は夏。南岸には高気圧が徐々に北上し梅雨前線を押し上げつつある。がんばれ高気圧!が、しかしである。行動中の2日間は曇り。ガスガスで景色は白一色。一瞬晴れ間も現れるが、カメラを出しているすきにまた真っ白。そんな中ではあるが張り切って行動開始。取敢えず室堂山荘に宿泊用の荷物をデポさせていただき、高所順応と散策を兼ねて室堂からみどり池、みくりが池、地獄谷・エンマ台をゆっくりめぐる。硫黄の濃度が高く目が痛くなる人もいた。まるで廃墟のような雷鳥沢ヒュッテの入り口に小さなランプが。一縷の望みをかけて近づくと、「営業中」。カレーやチャーハンなど思い思いのランチをいただく。さてここからは、登山開始。雷鳥沢のカラフルなテント場を横目に雷鳥沢を渡渉。ほどなく剣御前小舎に向けての直登コースと新室堂乗越経由コースとの分岐点。迷いなく、直登コースは廃案に。にもかかわらず、ここから空気の薄さを目の当たりにさせられる。吸っても吸っても、胸郭を広げても、ゆっくりと腹式呼吸をしても肺に空気が入らない。足が上がらなくなり、頭痛、ストックをつく手はしびれ、ぼーっとなる。しんどい…単なるトレーニング不足なのか…「あとちょっと」という念仏を何度聞き何度唱えたことか。対向者に、剣御前あたりは爆風だ、雷鳥に出会ったとの情報を得て希望を胸に足を運ぶ。這松の横を通り!!ここだ。5年前の雪庇の横をコンテされビビりながら歩いたことがフラッシュバック。ほどなく剣御前小舎に到着。やっとである。本日は爆風を理由に剣御前登頂は中止し、行動終了。くだんの富山県警山岳警備隊の夏山遭難救助訓練隊が一緒に宿泊していた。こんな悪天候の中でのルート工作や背負い搬送訓練中とのこと。怖そうだが頼もしいリーダー格の猛者や若くて屈強な隊員。事故のない登山を再度肝に銘じた次第だ。夜間は壁に打ち付ける爆風に目が覚めるも、すぐに爆睡。

2日目。なんとか天気は好転の方向ということで、カッパを着て、地図読みをして雄山に向け行動開始。別山では2009年に建てられた祠が強風から守るように岩で囲われており、周辺の過酷な気象条件を推察した。カッパについた霧が水滴となり、風で吹き飛ばされていく。鼻水も垂れて一緒に吹き流されていく。後続者さん、ごめんなさい。真砂岳から、富士ノ折立、大汝山への上りはまたもや空気の薄さとの闘い。充実した大汝休憩所でのココアやコーヒー、チャイに心休まり再スタート。風が苦しいと思いながら顔を上げると番いの雷鳥さんを発見。オスは赤い冠をかぶりかっこいい。3歩後ろをメスがついていく。(これは時代錯誤の感想か。)寒さも忘れしばし癒される。真っ白な世界の中でただただ足元の岩を一歩一歩踏みしめていくと、雄山の参拝所に到着。早速500円を徴収して祈祷を。な、なんと700円に値上がり。世知がない世の中だ。1万尺の雄山岩頭を参拝した後は、天候不良にて下の授与所でお祓いを受け安全登山を祈願した。本来、河原で丸く磨かれた石を持参して峰本社にお預けするのだそう。次回は、まあるい石を持って来よう。雄山を後にして3分後、登ってきたB班に出会える。すごい。10人揃っての完登だ!みんなの笑顔に元気をもらって下っていく。「これを上るなんて嫌だ。無理だ。下りでよかった。」と思ったのは、きっと私だけではないはず。(快晴の最終日に見上げた稜線は、なかなかな急登だ。)一の越山荘からは、石畳が膝に響くもののゆっくり景色を見ながら下る。途中ベトナムやネパールからの若者の漲るエネルギーに充てられて、小舎のおにぎりをおなかに収めて雪渓を越えて下る。

立山室堂山荘が見え始めたところで人だかり。雷鳥さんに違いない。母子の雷鳥に遭遇。子は隠すようにしており、お目見えしなかったが。そのまま下り、山荘にチャックイン。14時の入浴を待っているとB班が下山して、一緒に入浴、酒宴を開始。おいしい、楽しいお酒をいっぱいいただいた。

3日目。ピーカンの快晴。稜線のきれいなこと。青空の素敵なこと。立山の壮大なこと。室堂平の緑や花々のきれいなこと。水のきれいなこと。心地よい疲労とお土産を抱えて帰路に。

【感想】

「みんなが参加できて楽しめる」夏山バス登山。今年も大満足でした。天候や体調に合わせて思い思いの山行を楽しめたと思います。それぞれの、少しの不安を含んだチャレンジが実を結んだのではないでしょうか。私自身は、最近は高山病と膝痛に悩まされ、3000mでの縦走には不安いっぱいで臨みました。漢方で体調を整えたり、自主トレをしたりしましたが、案の定ペースを鈍らせてしまいました。それでもメンバーに恵まれ完登できたことは、皆さんに感謝です。

また、来年もこのバス登山を計画してほしいとの感想を多くいただき、少しながらお世話をさせていただいたものとしてうれしい限りです。計画段階からもっとたくさんの方々に参加していただき、さらに充実した自分たちの山行を実施できたらと思いました。皆さんのご協力をお願いして、皆さんのご協力に感謝して、皆さんとの山行を楽しみにしています。

(記:T田)

【B班:散策組】

予定より40分早く立山駅に到着。到着した時は曇りでしたが、しばらくすると雨が降り出してきました。「早く雨がやみますように」と願いを込めて登山準備を始めました。願いが通じたのか8:00発のケーブルカー乗車前には雨がやみました。8:20発の高原バスに乗り換え、9:00に天狗平に到着。B班の13人の内10人は、ここで下車して歩いて高山植物を見ながら立山室堂に向かいます。B班の残り3人は、ここでは下車せずにA班とともに立山室堂に行きます。天狗平から石畳を行くと早速チングルマが咲いていました。さらに行くとイワイチョウが咲いていました。初めての高山植物、小さくて可愛い花。地獄谷エリアは火山ガス噴出による事故防止のため現在立ち入り禁止となっています。立入禁止表示の近くでも硫黄の匂いがしました。11:00立山室堂山荘に到着。気温13℃。夕食まで自由行動なので昼食後は、F井、M田タ、T口ア、K北、T永昌、S、M田ア、M高、N山、K田の10人で周辺を散策しました。みくりが池に向かって歩いていきます。雪渓。水面に映える風景はとても綺麗です。みくりが池は、立山火山の水蒸気爆発によってできた凹地に水が溜まってできた池です。プランクトンやカワゲラの幼虫はいますが魚はいない貧栄養型の湖沼です。「みくり」は「御厨」と書き、神様の食物を調理するところをいうそうです。みくりが池温泉から見える地獄谷は、火山ガスが噴出しているところが見ることができました。

玉殿の湧水「名水百選」。中部山岳国立公園立山連峰の主峰・雄山の直下から湧出する地下水は冷たくて美味しかったです。ここで記念撮影をして解散しました。大観峰からの黒部湖や後立山連峰の絶景を見たい方は、室堂ターミナルからトロリーバス(10分)に乗ります。料金は、往復で3,960円。トロリーバスは「無軌条電車」と呼ばれていて日本で最高所を走る電車です。今では日本で唯一ここしか走ってないそうです。F井、T口ア、N山、K田の4人は、屋上展望台まで行き素晴らしい景色を堪能しました。18:00に夕食をいただき20時ごろ就寝。

翌朝16日の5時起床。6時に朝食をとり、7時に出発。天気は曇り、風が吹いていました。下山してくる登山者の中には、雪渓で引き返す人や強風で一の越までにした人がおりました。一の越山荘でトイレ休憩を済ませ、ヘルメットを装着して雄山を目指しました。登り始めから、強風でガスの中をゆっくりと行きました。山頂にある「雄山神社峰本社」で参拝料(700円)を納め、お祓いをうけました。休憩をとったあと下山開始。下山中、雨が降ってきましたが、ザックカバーを付けている間に雨はやみ景色を堪能しながら無事下山しました。19時ごろ夕焼けや雲海を見られてとても良かったです。

 

翌17日は、朝食の後、高原バスの出発時間まで散策してお土産を購入しました。予定よりも1時間半早く坂出ICに無事到着。

今回の山行は、いろんな体験ができ良い思い出となりました。

是非また機会があれば参加したいと思います。ご一緒してくださった皆さんありがとうございました。                                                 (記:K田)