２０２５年２月１５日（土）～１６日（日）鏡ヶ成　雪山トレーニング

【実施内容】

2025.2.1（土）：大屋冨ゲレンデ　プレトレーニング

Ｉ・Ｙ内・Ｗ辺・Ｓ谷・Ｎ川・Ｈ田・Ｔ田・会員外2名

2025.2.15（土）：象山・新小屋峠

　CL：Ｔ田・Ｙ田・Ｍ田タ・Ｙ内・Ｙ津・Ｗ辺・Ｙ井・Ｓ谷・Ｕ村・Ｎ川　　

2025.2.16（日）：

A斑　象山・擬宝珠山縦走　　CL：Ｙ田・Ｍ田タ・Ｙ津・Ｙ井

　B斑　下蒜山めいちん尾根～こうらい尾根周回

　CL：Ｉ・Ｙ内・Ｗ辺・Ｓ谷・Ｕ村・Ｎ川・Ｉ石尚・Ｈ田・Ｔ田・会員外3名

【目的】

雪山初心者・経験者共に、雪山山行に必要な知識と技術の基本を確認し、山中で実践することで、実際の雪山山行において安全登山を実践する。

【実践計画】

特に確実な技術が必要なロープワーク等を、大屋冨ゲレンデにて事前レクチャーを受ける。

座学で学び、簡易なコースの山中で実践する。

学んだことを、A斑：象山・擬宝珠山縦走、B斑：下蒜山周回登山で実践する。

【プレトレーニング】

2日目B班の当初の予定は烏が山ピストンであり、懸垂下降に不安懸念のある参加者のために、事前トレーニングを行うこととした。（講師：Ｉ）

• 地図読み

・各自自北線入りの地図を準備し、「整地」「コンパスワーク」を実践する

・「地図」「高度計」「コンパス」を駆使する。高度計は重要。

・地形から現在地を確認する。山座同定する。

• わかん・スノーシュー装着要領

・確実な装着を実践する。わかんのかかと部分はL字で。

• 懸垂下降要領

・頂上直下の30m～40m区間の急斜面で予測される困難な下りの対策として懸垂下降方法を実践する

• 道具の携行要領

・基本は外付け禁止

【1日目　雪山基本トレーニング】

座学　9:00～11:00

（１）低体温症・凍傷の予防、雪崩について

（２）アイゼン・わかんの装着方法

（３）ビーコン使用方法と捜索方法

山中実践　13:00~15:30

• 歩行：雪上歩行・2軸歩行を、雪上の各自の足跡を確認し修正
• 地図読み
• キックステップ・ラッセル体験

・先頭の疲労と楽しみを体感。ラッセルの労をねぎらう感謝の言葉かけ。2番手以降は雪を埋めて踏み固める。全員の疲労を均衡にし体力を維持するために、早めに交替。

• わかん歩行

・わかん使用が初めての人：ツボ足との違いを実感する。靴に合わせて装着し試走し2日目の本番仕様に備える。わかんを踏まずに歩行する練習。

• 簡易ハーネスを装着し、ATC・ムンターヒッチ・フリクションヒッチ（マッシャ

ー）による懸垂下降を実践。ピッケルでの支点構築。

• ビーコン・プローブ・ショベルを使った捜索訓練

・ビーコンを雪中に埋め、発見後はプローブ、ショベルを使った一連の捜索活動動作を実践する。発見までに15分以上経過し、救出動作の繰り返し練習の必要性を実感する。

• 無線通信体験

・操作実践

【所感】

安全な雪山山行に向けて全員真剣に取り組み、セルフトレーニングを実施したり、チームトレーニングを実施し、最終日には充実した山行を楽しみ各自満足した。さらに、中・上級者向けのトレーニングの希望も聞かれ、来年の山行計画に反映できるようにしたい。

乾語録

「急登時にリズムをとるためにカウントをするときに、1･2･3･4…と連続ではなく、1･2･3フーッとすると楽になる」

「急登時はやや前屈みになるが、その角度に合うようにポールを短く持つと楽に登れる」

「自分のペースで登りましょう。前の人に追いつこうと思うとしんどい」

「安全な山は存在しない、との気持ちで各自持ち物を選択してほしい」

「急斜面のない山では、ピッケルよりスノーポールが良い」

「経年劣化（プラスチック部など）を考慮し、道具を整備する」

「過剰装備にならないように」

「最後尾の人が到着してから5分間休憩」

休憩時には、「各自に声掛け」「最後尾の人のところまで様子伺いにくる」など、細部までパーティーの体調観察。

など、まだまだたくさんあったと思うが、今後の登山に役立つ内容ばかりなので、みんなで共有したいと思い、ここで紹介させていただく。

（記：Ｔ田）

2日目　A班　疑宝珠山

A班：Ｍ田タ、Ｙ田、Ｙ井、Ｙ津
《行程》

朝食7:30･･･奥大山休暇村8:30－レストハウス駐車場8:50･･･擬宝珠山登山口9:00･･･頂上9:55･･･下山11:00－奥大山休暇村12:00－坂出IC15:30

《内容》

擬宝珠山からスキー場中級者コース端に下りる周回。標高差189m、歩行距離1.7km。

天候晴れ、気温2℃、風もなく最高の雪山散歩です。

吉田さんは風邪気味のため宿でお休みです。前田さんと好井さんはワカンを付けて、私はシューズのままで登りました。雪質が硬く沈み込みが少ないのでシューズのままでも歩きやすいです。

雪に覆われた広場は、春にはサンカヨウが一面に咲いているそうです。登山口からは、ブナ林の急登が続きます。途中休憩を入れながら1時間程で、稜線に出ました。稜線の反対側は、ずっーと雪庇です。雪庇から小さな固まりの雪が落ちて行くのを見かけました。注意しながら少し歩くと山頂です。目印は何も見当たらない。でも10cm程の小さな雪だるま10個が、お出迎えしてくれました。風が作ったのでしょうか？蒜山の街並みや日本海などが見渡せます。ここで集合写真をパチリ！さぁ帰りましょう！

右側に雪庇を、左側にブナ林を眺めながら30分程の稜線歩きを楽しみました。この辺りは、春にカタクリの花が見られるそうです。2mの積雪なので、木々の新芽を目の高さで見ることができます。

下山は、スキー中級者コース端を下ります。誰も歩いてない雪の上をザクザクと、気持ち良く下りることができました。あまりに楽しくて大の字になって寝そべったりしました。2時間の行程でしたが、雪山の醍醐味を充分味わい、Ｙ田さんと合流し帰路に着きました。美味しいお蕎麦をいただき、豆腐も買って、15:30坂出ICに無事到着しました。

Ｍ田さん、運転お疲れ様でした。皆様お世話になりました。

費用:宿泊費13700円　交通費5200円　　　（記録　Ｙ津）

２日目　Ｂ班：下蒜山（1100ｍ）　岡山県真庭市蒜山

CL：Ｉ、Ｈ田、Ｉ石尚、（一般）Ｋ山、Ｏ田、Ｉ井（日帰り組）　Ｔ田、Ｗ邊、Ｓ谷、Ｕ村、

Ｎ川、Ｙ内（宿泊組）計１２名

《行程》

下蒜山🄿　7：54・・・メイチン尾根・・・・11:20下蒜山・・・コウライ尾根・・・下山口🄿14:20

7,4ｋｍ　上り652m往3:26　下り650ｍ復2:30　　計5:56

《内容》

当初の計画では伯耆大山南の烏山（からすがせん）へ登る予定でしたがここ数日気温が高く、多人数の参加で山頂付近での雪崩発生の危険があるとのことで、下蒜山に変更し安全な冬季ルートのメイチン尾根～コウライ尾根周回コースを登ることになりました。前日からの宿泊組６名と日帰り組６名が参加、道の駅蒜山前で７時に待合せし登り口に移動。7:54下蒜山登山口の手前道路脇から輪カンを装着まっさらな雪原へ足を踏み出した。途中衣服調整しながら20分位で下蒜山取り付きの雑木林に着きました。ここからはメイチン尾根を目指して急登の藪をかき分けながらの奮闘が続きます。輪カンをつけていない二人はズボズボと雪に深く靴が沈み足を取られながらの行進です。１時間程でメイチン尾根に取り付きましたが、汗で顔がぐちゃぐちゃ下着にまで流れているのを感じました。尾根に入り一段と足腰が重くなり輪カンがもつれてきて前を歩くTさんとの距離が開いてきました。リーダーのIさんから「追いついてこようとしなくてよいから、開きすぎたら待つので」と声かけがあり自分のペースで歩くことができました。Nさんはスノーシューで難なく登って行きます。かなりの経験があるようです。尾根のピークを七つ程越えたでしょうか。やっとの思いで900mの鞍部まで漕ぎつけました。あと100ｍ私はもうふらふらWさんは「まだ100ｍも……」と顔が歪みました。若い人は身が軽くてどんどん進みます。11:20広い雪原の頂上に到着、顔を上げてビックリ360度の大展望です。目の前にスッポリ雪に覆われた中蒜山その横に聳え立つ上蒜山、後ろにはひと際白く大きな大山が輝いています。白銀の山々のオンパレード、疲れを忘れてしばし見入りました。来た甲斐があったなと思いました。11:5０下山開始、中蒜山へ通じる雪道を下りコウライ尾根へ出ました。雪に埋もれた木々の間を縫って時折垂れ下がった枝で顔をひっぱたかれながら、急こう配の坂道を輪カンが滑ったり足がもつれたりで、転びそうになりながら約２時間下りました。Wさんは下りになって元気を取り戻しました。コウライ尾根の下りは長かったです。顔を真っ赤にしてくいしばって歩いるメンバーもいました。下山30分前になって私の右側の輪カンの止め金具が２本共抜けました。劣化かなぁと思っています。仕方がないので左の輪カンのみ使い左足は浮き、右足は沈むひょっこひょっこスタイルで歩きました。14:20スタート地点に下山しました。この山行で初めてフルコースで輪カンを使用しましたが、意に介せず少し楽に完登できたように思います。これからはもっと多用したいですね。冬しか登れないバリエーションルートに登れて大満足でした。日帰り組とは下山口で別れ、宿泊組は１８時頃坂出ＩＣに帰着しました。リーダーのお二人ありがとうございました。皆様お疲れ様でした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（記：Ｙ内）