県連雪山講習会に参加して
場 所:伯耆大山(宿泊:大山館)
日 時:1月25日(土)11:30~16:00 、26日(日)8:00~15:00
参加者:しわく山の会はM田、Y内、I石、Y田、T田、H田、S田(7名)、総勢33名
参加費用:17,500円/人(宿泊代12,100円、補助金1,100円)
【訓練の内容】
1月25日(土)大山館にて12:00~13:00まで座学を実施。
(座学の内容)
1)冬山の危険性の最も大きな特徴
常に低体温症の危険と隣りあわせ!トラブル等で行動停止した場合、寒さ対策をしなければ、即座に体温維持が困難になる。⇒別紙にて体温低下(35℃~)とそれぞれの症状と対策(風から避難、ツエルト、断熱マット、着替え、重ね着、寝袋、湯たんぽ、高カロリーレーション)
2)凍傷について⇒別紙にて説明・ジンジンしたら、イエローカード。・登山で多い凍傷部位はピッケル、屈曲(右の中指、薬指、小指)と足の親指、小指(登山靴内で循環障害)・水泡は破ってはいけない。・「凍傷は、寒冷にさらした時間が長ければないほど重症になる」泊りの場合、テント、山小屋で早期に温浴解答し、保温に気を付けて下山する。使い捨てカイロの利用も良(手首の動脈を温める。
・凍傷にならないために、手袋、靴下の予備は必携。暖かい飲み物、水分を十分にとる。ビバークは体力のあるうちに。早朝の最低温時と稜線の強風時に多いので、行動を短くする為に体力をつけて、スピードアップ。
3)歩き方について
(足の使い方ポイント)
☆中傾斜⇒かかとをつけ、ふくらはぎの温存。ダイヤゴナル、逆ハの字、スリーオクロック。
☆急傾斜⇒フロントポイント使用
☆ピッケルの利用について
4)冬靴で歩き方とアイゼン装着での歩き方ポイントについて
☆冬靴:キックステップ(雪上歩行の基本)靴のエッジを使って歩行、フラットはダメ。
☆アイゼン(キックステップの練習が役立つ:軸足、バランス等)
フラットで歩行し靴のエッジはダメ。装着は「絶対」確実に!アイゼンバンドの樹脂部部分の劣化に注意。(事故事例多発)☆わかん:危険個所は早めにアイゼンに切替える。
5)ラッセルの仕方について
踏んだ穴に雪を入れて、踏み固める。まだ潜(もぐ)るなら、さらに雪を入れ踏み固める。急斜面の場合、軸足の雪を確実に踏み固めて、10cmでも体を上げる。(踏み固めないと体が上がらずに、雪を崩すだけになり、目の前に雪壁ができ途方に暮れる。)
5)ピッケルストップについて
考えずに体が動くくらい反復練習する。
落ちないように歩く方が重要なので、意味がないというが、滑落した場合の最後の拠り所。
座学後(13:00~16:00)は、大山館の駐車場の雪かきで出来た高さ3mくらいの壁を使って中傾斜、急傾斜における登山靴での歩行訓練とピッケルの使い方等を30分ほど練習しのち、大山寺に移動し、大山寺の裏側の急斜面を使って、登山靴での歩き方とピッケルストップの訓練を実施。帰りはその斜面(50m以上?)を直登し、尾根まで登り、尾根を伝ってトラバース、大神山神社経由で大山館へ戻った。
26日(日)9:00~15:00
大山館の駐車場の雪かきで出来た壁を利用して20分くらいアイゼン歩行の訓練実施後、大神神社まで移動し、大神山神社を超えたあたりから各会に分かれ、新雪の中、ラッセルをしつつ、谷川側に下り、ルートファインディングしながら佐蛇川の右岸に渡り、
上ったり
、下ったり
を繰り返しながら
元谷の避難小屋を目指す訓練は疲れたけれど楽しい訓練だった。
途中、雪崩が起きそうな個所でのトラバース(一人づつ)の仕方の訓練を行い、元谷に到着。昼食後、雪崩の誘発のメカニズム(スラブ、弱層、すべり面の組み合わせ)を学んだ。その後、元谷から中宝珠越え方向の急斜面(50度くらい)まで行き、上ったり下ったり(20mくらいの斜面)、ピッケルストップ等の訓練を14時頃まで行い、タイムアウト。大山館には15:15頃到着。各会、解散で帰路につきました。
(記:Y田)