2022/9/22(金)~25(日)北八ケ岳(根石岳・天狗岳)

2022 年 9 月 23 ~ 25 日 北八ケ岳(根石岳、天狗岳)

CL:M田タ SL:Y田  参加者:T田、T寺、K野、N川、Mカ、S井(計 8 名)

≪行程≫

9/22(木) 坂出 IC 駐車場出発 22:30 -

9/23(金) -諏訪 IC6:00-稲子湯7:50/8:00・・・しらびそ小屋 10:20/10:50・・本沢温泉12:45(泊)

9/24(土) 本沢温泉 6:45・・・夏沢峠8:30・・・箕冠山 9:30・・・根石岳 9:45・・・白砂新道合流点 10:00・・・  東天狗岳10:30・・・西天狗岳10:50・・・東天狗岳 11:10/11:40・・・

・・・黒百合平分岐 11:45・・・中山峠 12:40・・・黒百合ヒュッテ 12:50(泊)

9/25(日) 黒百合ヒュッテ 6:30・・・中山峠 6:35・・・しらびそ小屋 7:50・・・稲子湯 9:45 -

蓼科高原麓の温泉:小斉の湯 11:00/11:40-蕎麦屋 11:50/12:30-坂出 IC23:50

≪内容≫

直前の天気予報では、台風 15 号が 9/24 に最接近して雨とのこと。しかし、M田リーダは「行ってみて、現地で判断する」とのことで、個人的には気が進まないものの決行されました。レンタル車ハイエースに8人が乗り込み、代わる代わる運転を交代し、トイレ休憩を取りながら、睡眠/仮眠を取りました。現地までのルートは、瀬戸大橋→山陽道→名神高速→小牧 JCT にて中央道→諏訪 ICで降り、メルヘン街道を経て稲子湯(駐車代¥300/日)に到着しました。渋滞も無く、順調に走ったと思われます。 曇天ゆえ雨を心配してザックカバーを付け、カッパズボンを着て、カッパ上着はすぐに取り出せるよう準備(Mカ氏は雨傘)。

出発時に笑顔で集合写真。車道を串刺しに登山道を進みます。シラビソ の森(群集した細めの木は樹高が高くないので森は明るい)は、厚い苔に覆われ、 まるでトトロの森のイメージです。

登山道脇にある直径 30cm高さ1 mで伐採された株元も分厚い苔で全体が覆われています(K 女史感動)。20 分で白駒林道の稲子湯唐沢橋登山口に到着。リーダが、登山ポストに計画書を投函。登山道を進み、こまどり沢を経て、しらびそ小屋(標高 2097m)に到着。

 

緑色の池:みどり池があり、広さは運動場程、周囲は鬱蒼としたシラビソの高木で囲まれ、池面は雨粒による点々模様があり、幻想的です。魔女が住んでいそうな、しらびそ小屋で荷を下ろし、ホットコーヒ(一人は紅 茶)で一息つきました。30分休憩の後、再出発し、順調に歩いて、本日の目的地『日本の秘湯:本沢温泉』

に到着。 北八ケ岳のポスターには、「神秘的な原生林に覆われた森の中、蒼き苔の絨毯と木道が登山者を誘う。心地よい風に導かれた先には、瑠璃色の水辺が広がる。静かな休日に心が癒される… ここは八ケ岳、北で感じる穏やかな時間」とあります。 軒下にストックを吊し、濡れ物を乾燥室に干して、本館2階の大部屋(収容22人を8人で占有)に案内されました。早速に女性陣は雨降る中を雲上の湯: 野天風呂(日本最高処 2150m にある)へ。10分弱上って行くと、沢(谷幅約 10 m に細い水流)の岸斜面に2m×1.5m程の木枠(深さ 1m 余り)があり、着替えのために板切れだけが数枚置かれています。浴槽座部から自然に湧出しており、白乳濁の湯でわずかに硫黄の臭いがします。湯温は42℃ぐらいで、心地よく暖まることができました。1名を除く男性陣は、内湯で済ませてしまいました。男女別の内湯は本館前より自然に湧出し、微黄白濁色で泉質(炭酸水素塩温泉、泉温53.1℃)は野天風呂とは異なっています。効能は、筋肉痛、打ち身、ねんざに効くそうです(飲用不 可)。 トイレや食堂は斜面下の新館にあり、階段で結ばれています。階段の下は石垣でヒカリゴケが生えています。武田泰淳の短編小説『ひかりごけ』を思い出して、通るたびに心底ゾッとしました。夕食時にも小屋からの天気情報は、一切提供が無く、衛星テレビも無いため、気になる台風情報を入手できません。また、本館大部屋ではスマホが通じません。そこで、夕食後に翌日の行動計画として台風対策を全員で検討しました。

・硫黄岳往復は断念する(決定合意事項)。

・天狗岳は日頃でも強風が吹くとのことで、現場まで行き、状況判断して引き返すこともある(決定合意事項)。

・ルート案1:夏沢峠経由で東天狗岳(標準時間 2:40)を目指し、途中無理と判断すれば本沢温泉に引き返す。

・ルート案2:白砂新道にて東天狗岳(標準時間 1:45or2:35)を目指し、途中無理と判断すれば本沢温泉に引き返す。

・白砂新道の標準時間は、地図制作社によって大きく異なる(2:10 と 1:20)。→小屋管理人に問い合わせよう。 他の客に聞けば、(1)新館では受信アンテナ1本立つ、(2)台風は予想より速度を上げているとのこと。 ネット調査による天気情報と小屋管理人のアドバイスを受けて、

◆全員合意の最終的な対処案:本沢温泉からしらびそ小屋方向に引き返して、中山峠経由黒百合ヒュッテに向かい、小屋に荷をデポしてから天狗岳往復を目指す。

夜中は大荒れの暴風雨となりました。さてさて、翌朝目を覚ますと、雨は上がり、風は無く、青空はないものの 空は明るい。昨夜の心配は何処へやら、当初計画ルート(ただし硫黄岳往復 はスキップ)で山行することになりました(全員合意)。 出発時間には、薄日も射して来て、登山日和です。

小屋からは登りが続き、やっと山彦荘(モモンガとヤマネが棲む)とヒュッテ夏沢(どちらも休業中)のある夏沢峠に着きました。見上げれば、そそり 立つ硫黄岳が眼前に見え、急な急な斜面をゆっくりと登っていく一団が見えました。往復を断念して良かった(安堵)。そこからは根石岳を目指し、なだらかな稜線を進みます。明るいシラビソの林がどこまでも広がり、大きな葉をテカらせたシャクナゲが登山道沿いに続いています。箕冠山(ミカブリヤマ)2590mに着き、オーレン小屋分岐を左に見て右折し、根石岳 2603m を経て、下りになると視界が広がり、眼前に東天狗岳山頂(ガスに浮かぶ左奥)への稜線が見えます。白砂新道との合流点である鞍部まで下り、一気に 東天狗岳山頂 2646.3mを踏みました。周辺はガスが流れて、時々ぼんやり西天狗岳のシルエットが見える程度です。身体が冷えない内にと、荷をデポして早々に出発。荷を下ろせば、足も軽やかになり、まもなく西天狗岳 2645.8m に到着。昨夜は、半ば諦めていただけに、双耳峰を踏めて大変嬉しかったです。ガスで展望は利きませんでしたが。 登山者で賑わう東天狗岳 2646.3m へ戻り、昼食。本沢温泉の昼弁当をおいしく頂きました。エネルギー充填を完了して、中山峠方向を目指します。下る登山道は、水溜まりのある道に、丸い大きな岩や石がゴロ ゴロある尾根筋で、濡れた石や浮き石に足下注意を払いながら進みます。

黒百合平と尾根道との分岐では、黒百合平は ガスで見通しが利かず道迷いの危険性があり、また尾根道の昇り登山者が多いことから、当初計画を変更して、そのまま稜線を進みます。

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シラビソと苔の森となり、中山峠間近かと思いきや、丸い大岩が積み重なった稜線下りとなり、ガ スの切れ間には、遠方に「ニュウ(ピーク名)」かと思われる断崖、眼下にシラビソ林、脇のハイマツなどを楽しみなが ら、やっとのことで中山峠に着きました。 明日の下山口である、みどり池への取り付きを確認して、シラビソ森に敷かれた木道を急ぎ足で進むと、すぐに黒百合ヒュッテに到着しました。

小屋の再建途中で、奥には建築資材が集積されています。談話室(兼 食堂)に荷を下ろした後、小屋前の石ベンチ に腰掛けて、ビールで乾杯。女性陣は特性ビーフシチュウ¥1300 を注文。この小屋を選んだ理由とのこと。3cm 角の牛 肉・ジャガイモと人参が入って、大変おいしかったと好評です。テント場には、多くのテントが張られていました。 16 時まで談話室で過ごし、配膳のために追い出されて屋根裏部屋へ。階段最上部と屋根裏との 40cm 隙間をくぐり抜けて、床を這って寝具まで移動。上半身を起こせば、天上で頭を打って目を覚ます仕掛け?となっています。

17:30 からの夕食(ビーフシチュウはでませんでした)が終わり、片付け終了後は再度談話室に代わり、20:30 まで酒盛りとなりました。夜空には満天の星空が広がり、天の川が明瞭に識別でき、感動しました。なお、乾燥室はなく、談話室の端 に干すようです。今日は雨に降られなくて助かった。 最終日 5:30 に階下からの「朝食の用意ができました」で起きて、朝食後身支度をして集合。晴天の下、名残惜しいですが下山開始。木道を中山峠まで引き返し、峠からは、転がり落ちる様な急な壁に造られた七折れの岩道を慎重に下っていきます。長々と 1 時間余り緊張が続いて、やっと”しらびそ小屋”のある”みどり 池”に下ってきて、一息つきました。

ここからは、初日と同じコースをたどって無事稲子湯駐車場に帰り着きました。お疲れ様でした。

帰路につく前に、蓼科高原麓の温泉『小斉の湯』に寄り汗を流し、近くの蓼科湖畔の蕎麦屋:”やまなみ”で腹を満たしました。12 時半に坂出 IC に向けて蓼科湖 を出発しました。諏訪 IC から中央高速道に乗りましたが、三連休最終日とリニューアル工事(園原 IC -中津川 IC 間)のため、園原トンネル手前から渋滞/停車となり、大幅に時間を要しました。小牧 JCT 手前でも渋滞し、やっと名神高速に入ってもその先の彦根当たりで渋滞とのことで、新名神高速道へ迂回するのに名古屋高速で道迷いし、東名阪高速道に乗ってからは渋滞無く、新名神-名神-山陽道と進んで、瀬戸大橋を渡り、無事帰ってきました。

費用:宿泊費を除く交通費、約12,000円/人                    (記:S井)